髪に限らず人は食事をして栄養素を取り込むことでそれを様々な物にかえています。
髪も一緒で髪を構成する栄養素を積極的に取り入れば髪は元気になっていきます。
逆に髪の栄養が少なくなると髪は元気がなくなり痩せ細っていきます。
今回はそんな髪に対して効果的な栄養素、食べ物は何なのか解説していきます。
目次
髪を生やす三大栄養素
まず髪は、その大部分がケラチンというタンパク質で出来ています。
じゃーケラチンを沢山取ればいいじゃん!と思うかもしれませんが実はケラチンの入った食べ物というものはありません。
ケラチンは食事によって摂取されたタンパク質がアミノ酸に一度分解されそのアミノ酸からケラチンというものに生まれ変わります。
しかしタンパク質だけを取れば良いのかというとそうではありません。
体に取り入れたタンパク質を髪の成分になるアミノ酸にまず分解しなければなりません。
その為にもビタミンB群をとりましょう。
ビタミンB群は摂取したタンパク質をアミノ酸に分解するよう促すのでこれが不足するとタンパク質が上手く分解されません。
タンパク質と同様にビタミンB群も一緒に取るようにすることが大事です。
髪の成分になるタンパク質。それをアミノ酸に分解するビタミンB群。
次はその分解したアミノ酸を髪の主成分であるケラチンに変えなければ意味がありません。
せっかく分解したアミノ酸が全部違う物に変換していては髪はしっかりしてきません。
その為にも分解されたアミノ酸をケラチンへ生成させるよううながします。
そこで大事になるのが亜鉛です。
亜鉛はビタミンの吸収率をアップさせる働きがあり、アミノ酸からケラチンへ生成するために不可欠なものです。
いくらタンパク質やビタミンの多い食事をしても亜鉛が不足していては髪の主成分であるケラチンへとアミノ酸から生成されません。
タンパク質
髪を構成する上で大部分を占めるケラチン。
ケラチンはアミノ酸から生まれるタンパク質の一つです。
そのタンパク質を取り入れることで髪の元となる栄養を補給していくのですがタンパク質の多い食材としては
- 肉類
- 魚介類
- 卵類
- 大豆製品
- 乳製品
があります。一つずつ解説していくと
肉
まず動物性タンパク質である肉は、全体的に食材の中でもタンパク質の量が多く手軽にタンパク質を取り入れることができます。
しかしその反面、動物性タンパク質は脂肪にもなりやすいです。
その為なるべく油を取らないように牛肉や豚肉なら赤身やヒレ、鶏肉ならささみや胸肉といったヘルシーな部位がオススメです。
魚介類
次に動物性タンパク質の魚です。
魚も脂肪になりやすい動物性タンパク質ですが肉に比べて低脂肪、低カロリーで優秀な食材であります。
またサバやイワシなどの青魚はビタミンや亜鉛といった栄養素もあるのでオススメ食材です。
卵類
卵も豊富なタンパク質とビタミンでオススメの食材です。しかし気をつけなければいけないのがその食べ方です。
卵は髪に必要な栄養素がたくさんありタンパク質も豊富ですがそのまま生で食べると卵白にあるアビジンという物質が腸内で吸収の妨げになってしまいます。その為、一度火を通すことをオススメします。しかしそこでも注意が必要で生卵を卵白と卵黄をかき混ぜてしまっても栄養素の吸収の妨げになってしまうのでオススメの食べ方はゆで卵や目玉焼きなどそのまま熱を加える食べ方が適しています。
大豆製品
次に植物性タンパク質である大豆です。
大豆などの植物性タンパク質は脂肪が少なく血中のコレステロールを下げる働きがありとてもヘルシーにタンパク質を摂取できます。
アミノ酸代謝も良く効率よくアミノ酸へ分解して髪の主成分であるケラチンを作り出してくれます。
また大豆にはイソフラボンが含まれており、イソフラボンとはタンパク質であり抗酸化物質であるポリフェノールの一種で女性ホルモンと同じような働きがあります。
抜け毛を予防しハゲにくい頭皮作りをしてくれます。
乳製品
乳製品はタンパク質、ピタミン、ミネラル類など髪に必要な栄養素がバランス良く入っているので正に髪にとってはとても良い食材です。
ただし脂肪などが多く取りすぎには注意が必要です。肥満などで逆に薄毛の原因になったりするので適量を取るようにしましょう。
ビタミン
ピタミン類は上記にもあるようにアミノ酸をケラチンに変える働きのほかにも抗酸化作用、血行促進、新陳代謝の活性化など様々な効果があります。
しかしそのほとんどは水溶性の為一日に大量に摂取しても尿として排出されてしまいます。
なので毎日こまめに取り入れていかなければなりません。
特にピタミンB2、B6はアミノ酸を髪や爪などの主成分であるケラチンへ生成する働きがあります。
またそれを健康に保ち成長を助ける働きがあるのでハゲ、薄毛対策には必要な栄養素です。
他にも髪に良いとされるもの、
ビオチン(ピタミンB7)は毛髪や皮膚の健康維持。また血行促進させ髪の毛に沢山の栄養を届けるのを助ける働きがあります。
ピタミンCは髪や肌、血管などをつくるのに必要なコラーゲンをつくる為に欠かせないピタミンです。
コラーゲンが増えると細胞がしっかりと結合される為頭皮環境や髪の状態が良くなります。
ピタミンEは血行の流れをよくする働きがあります。抹消血管を広げることで隅々まで血流をよくし栄養を行き渡らせます。
また頭皮細胞を壊す過酸化脂質の生成を抑える働きがあります。
補足でピタミンE、ピタミンAなどは脂溶性ピタミンといい脂に溶けるピタミンなので尿などで排出されず、
過剰摂取すると胃の中で残り血流が悪くなったり栄養障害を起こす恐れがあるので取りすぎに注意が必要です。
ピタミンAで人参3/4本
ピタミンEでべにばな油大さじ二杯
が目安です。
ミネラル
ミネラルはそれだけではエネルギーになりませんが他の栄養素をサポートする働きがあったり生命維持には欠かせない栄養素です。
特に亜鉛は現代人に不足しがちな栄養素の一つです。
亜鉛の効果として分解されたアミノ酸を髪の主成分であるケラチンへと生成してくれる働きがあり新陳代謝を活発にし免疫力を高めてくれます。
また亜鉛は必須ミネラルの一つで体内で生成されず外部から摂取していかなければなりません。
またヨウ素も必要なミネラルで海藻にはヨウ素が多く含まれることならハゲは海藻が効果的というのは案外間違ってはいないです。
ヨウ素には甲状腺ホルモンの主成分となるミネラルです。新陳代謝を促し成長ホルモンを分泌し細胞の成長を促進する働きがあります。
薄毛にオススメ!髪に良い食べ物
ここまでで髪に必要な栄養素が主にタンパク質、ピタミン、ミネラルだと分かったかと思いますがそれらを多く含む食材は何なのか?
また薄毛にならないように気をつけるべき食べ物の特徴とは何なのか?みていきたいとおもいます。
薄毛にオススメの食べ物の特徴とは?
薄毛の改善に効果的な食べ物は、まず髪や頭皮そのものになるタンパク質やアミノ酸が必須です。またそれを作り出したりサポートする栄養素、さらに薄毛対策として+αの効果を持つ栄養素があります。では具体的にどのような栄養素が良いのでしょうか?
1タンパク質やアミノ酸が豊富
髪の主成分であるケラチンはタンパク質によって作られます。
このケラチンは食べ物で摂取することはできないのでタンパク質からアミノ酸へ分解してケラチンへと生成されます。
また18種類中7種類のアミノ酸(ヒスチジン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、)は
必須アミノ酸として体内で合成できない為これらを含む食べ物を積極的に取り入れましょう。
2ピタミン類が豊富な食材
ピタミンは頭皮の健康状態や髪の成長に重要な働きを担います。
とくにピタミンB群、ピタミンC、ピタミンEはタンパク質の吸収、新陳代謝、血行促進などの効果があります。
3ミネラルが豊富な食材
ミネラル。特に亜鉛やヨウ素を積極的に取り入れることでケラチンの生成やホルモンの分泌、細胞の活性化など体の重要な働きに多く関わってきます。
4ポリフェノールも効果的なオススメ食材
ポリフェノールは抗酸化作用が強く老化防止に効果的です。紫外線やストレスなどで発生する活性酸素を取り除く効果も期待できます。
5コラーゲンの多い食材も効果的
コラーゲンというとお肌の保湿と言ったイメージですが頭皮にとってもとても大切な存在です。
毛根にある毛母細胞(髪を生やす細胞)を守っているのがコラーゲンで、それが減少してくると毛母細胞がダメージをうけ薄毛の原因になってしまいます。
6カプサイシンで血行促進
カプサイシンとは辛味成分で有名で、これが血行促進に期待があります。血流をよくすることで毛根まで栄養を行き渡らせるようにします。
また毛母細胞を刺激し健康な髪を生やしてくれる手助けをしてくれます。
7イソフラボンで女性ホルモンのサポートを
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。エストロゲンが減ると薄毛の原因にらなります。それをサポートする為にもイソフラボンは効果的です。また男性ホルモンを抑制するといった働きもあります。
薄毛にオススメの食材
卵
卵はタンパク質が豊富でピタミン、ミネラルなどもバランス良く入っています。
またビオチンが髪が生える頭皮環境を作るのに効果的です。アミノ酸やコラーゲンの生成に関わりがあり血行促進、抗炎症作用など幅広く効果があります。
ただし食べ方に注意が必要で生のままだとアビジンという物質が吸収を邪魔してしまうので一度加熱する事。また生のまま黄身と白身を混ぜるのもアビジンが発生してしまうので黄身と白身を分けるまたはゆで卵や目玉焼きなどそのまま火を通すのがオススメです。
牡蠣
牡蠣にはケラチンを生成するのに必要な亜鉛が沢山入っています。またケラチンを生成するのに必要なアミノ酸の一つリジンも入っています。
これは必須アミノ酸でこれらの栄養素は抜け毛を減らし頭皮環境を良くする働きがあります。
レモンなどのクエン酸と一緒にら取ると吸収力が高まると言われています。
納豆
納得は植物性タンパク質をはじめ、亜鉛やビタミン、イソフラボンなど髪を生やす頭皮環境を作るのに必要な栄養素がとてもバランス良くオススメの食べ物です。
さらにメチオニンというケラチンを作る上で必要な必須アミノ酸も含まれており手間要らずでお手軽な納豆は万能食材です。
イワシ
イワシは動物性タンパク質であり、またメチオニン(ケラチンの構成要素のシステインというアミノ酸をつくるのに欠かせない成分)が入っており育毛に効果があります。
イワシはタンパク質、メチオニンの他に亜鉛も豊富に含まれているのでハゲ予防、薄毛対策にとても効果がある食材の一つです。
鶏肉
鶏肉には良質な動物性タンパク質が豊富でそれだけでも効果が高いですが、軟骨や皮、手羽先などにはコラーゲンも豊富に含まれています。コラーゲンは血管を丈夫にしてくれたり、毛母細胞の強化、頭皮の潤いを保つ効果で抜け毛予防に繋がります。
また牛や豚に比べて脂質が低く高タンパクなのでオススメです。他にもピタミンB2、ピタミンB6、亜鉛などの栄養素が一定量含まれているので肉の中でも鶏肉は髪を生やすのに効果的です。
牛レバー
レバーには髪の三大栄養素であるタンパク質、ピタミンB、亜鉛全てがバランスよく含まれています。ケラチンを生成する為に非常に効果的な食べ物です。
しかし過剰摂取は要注意でレバーにはピタミンAなども豊富に含まれており、脂溶性の為ドンドン体内に蓄積され取りすぎると脱毛の原因になってしまいます。
鶏や豚のレバーに比べて牛レバーは比較的その二つよりピタミンAの含有量がひくいのがオススメのポイントです。
海藻(わかめ、ひじき、昆布)
海藻は髪に良いと聞いたことは一度はあるはず。それは別に間違った情報ではなくちゃんとした理由があります。
海藻にはミネラルが豊富で特にヨウ素は甲状腺ホルモンの主成分となるミネラルです。新陳代謝を促し成長ホルモンを分泌し細胞の成長を促進する働きがあります。これにより抜け毛や薄毛に効果ごあるとされます。
また腸内環境を整える食物繊維も豊富で食材からの栄養素を効率よく吸収してくれる効果があります。
豆腐
畑の肉と言われる大豆から作られる豆腐は植物性タンパク質の王様です。低カロリーで高タンパク、また消化吸収が非常に良いです。ビタミンB群、亜鉛、ミネラル、食物繊維、イソフラボンなど髪を生やすのに必要な栄養素もバランスよく入っています。
またビタミンB群の一つナイアシンはアルコールの分解に必要なビタミンでお酒を飲む際はおつまみに豆腐を食べると良いでしょう。
緑黄色野菜
緑黄色野菜はビタミンB2、B6や頭皮の新陳代謝を促すルイテインをはじめ鉄分ミネラル、食物繊維が豊富な食材です。
具体的にはほうれん草やニラ、人参、カボチャ、ブロッコリー、ピーマン、アスパラなどがあります。
緑黄色野菜で特に効果的といえるのが抗酸化作用です。活性酸素による頭皮環境の悪化や老化、血行不良を防いでくれる効果があります。
ナッツ類
ピーナッツやカシューナッツなどのナッツ類もビタミンB群や亜鉛が豊富です。
また頭皮の皮脂を調整してくれる効果もあり乾燥肌の方には特にオススメの食べ物です。
ただし高脂質の食べ物なので摂り過ぎには十分注意しなから取り入れてみて下さい。
唐辛子
唐辛子などに含まれるカプサイシン。この成分が血行促進に効果が高いとされます。
辛い料理を食べた時、汗が止まらなくなった経験はないでしょうか?これはカプサイシンによる血行促進作用が働いているからです。
これにより血流が良くなり毛根にもスムーズに栄養が行き渡るようになります。さらにこのカプサイシンと大豆イソフラボンはとても相性が良く、一緒に食べることでIGF-1という体内物質を増やします。
これは髪を生やす毛母細胞を刺激しヘアサイクルを正しく調整し太く健康な髪へとしてくれます。
韓国料理のスンドゥブチゲはまさにオススメの食べ物です。また豆腐や納豆にキムチを乗せて食べるのもオススメです。ただ摂り過ぎには注意で過剰摂取は腸内環境が乱れてしまったり肌荒れの原因になってしまいます。
※注意※食事はあくまでも“サポート”
これまで薄毛対策の為に効果的な食材を紹介してきましたが、髪に良いと言われる食べ物をただ摂取するだけでは本当の意味で薄毛対策にはなりません。薄毛の原因にはホルモンのバランスやストレス、生活習慣など様々な要因からなります。
その為、食べ物さえ気を付ければ良いというものではないのです。
しかし抜け毛や薄毛対策として、健やかな頭皮環境や体内環境をつくり健康な髪を作り出す為には必要な栄養素であり、それらを摂取することは必要最低限のことだと思います。
なので抜け毛が増え始めてからでは遅く、そうなる前の予防として毎日バランスよく摂り入れ抜け毛予防のサポートとして考えましょう。
逆にこんな食べ物は要注意
これまで髪に良い食べ物を紹介していきましたが、逆に髪に良くない食べ物も沢山食べていると意味がありません。ここで紹介するような物を沢山食べている人は要注意です。
塩分の多い食べ物
塩分の摂り過ぎは高血圧や膵臓機能の低下を起こしやすくしてしまいます。これらは血流を悪くしたりします。外食やジャンクフード、カップラーメンなどは塩分が多いので控えるようにしましょう。
糖質、糖分の多い食べ物
甘いものや炭水化物などの糖質が多い食べ物は血管を傷つけたり皮脂の過剰分泌に繋がります。皮脂が毛穴に詰まったり放っておくと抜け毛の原因になります。
洋菓子などは脂質も沢山入っているので食べすぎに注意です。お菓子ジュースはあまりとらないようにするのがオススメです。
動物性脂肪の多い食べ物
動物性脂肪もとりすぎると皮脂の過剰分泌になります。フケがでたり頭皮の皮脂が毛穴に詰まったり血行が悪くなったりします。さらに悪いコレステロールを増やし血管を詰まらせる恐れもあります。
肉の脂身やラード、バター、チーズの摂り過ぎには注意が必要です。
アルコール
少量のアルコールは血行促進に繋がりますが摂り過ぎは要注意です。肝臓に負担をかけ、血流を悪くしてしまいます。またアルコールを分解する為にナイアシンなどのビタミンや亜鉛が使われて髪の方へ栄養が行き渡らなくなるので飲み過ぎには注意しましょう
まとめ
いかがでしたか?食事はあくまでもサポートですが必要な栄養素をこまめに取り入れていかないと髪を作りだす栄養素は足りません。
効果的な栄養素、食材をご紹介しましたがこれらはあくまでも一部です。バランスの良い食事を心がけ、それを栄養に変える為に規則正しい生活をしましょう。