汗をかくと髪の毛がベタついたり、臭いが気になったり、くせ毛が酷くなったりしますよね。暑くなってくると悩ましいのがこの汗です。多汗症の方は特に大変でしょう。そこで、汗が髪の毛に与える影響や、改善策についてまとめてみました。
目次
汗が髪の毛に与える影響
だんだん暑くなってくるこの時期、気になるのが汗です。
気温・室温以外にも、運動や緊張によっても汗をかきます。
適度に汗をかくことは体温を下げることにおいて重要であり、代謝機能が正常であることの証明でもあります。
しかし、夏本番や運動の後は汗によるさまざまな悩みが毛髪に降りかかります。
髪がベタつく、うねる、抜け毛が増える、臭いが気になる、せっかくのスタイリングが崩れる、などなど……。
今回は汗が髪に与える影響と、改善方法についてご紹介します。
汗による髪のベタつき
汗による髪の悩みと言えば、まず思い当たるのがベタつきです。
毛穴の近くには汗の通り道であるアポクリン汗腺やエクリン汗腺が存在します。
当然、頭皮にはたくさんの毛穴があるため、体のなかでも特に汗をかきやすい場所です。
たくさん汗をかくと髪がベタベタになるのは、汗に含まれるミネラルが原因と考えられています。
特にロングヘアの方は余計にベタつきを感じ、後述する臭いや汗疹にも悩まされているかもしれません。
すぐに洗い流せるなら良いかもしれませんが、なかなかそうもいかないですし、ベタつきの原因成分を根本的に取り除くことはできないため厄介です。
抜け毛・くせ毛
夏になると抜け毛が増えたり、くせ毛が悪化したという経験はありませんか。
強い紫外線や海水浴・プールなどが原因となっていることも多いですが、実は汗も抜け毛やくせ毛を助長する要因になることがあります。
なぜなら、汗を放置すると酸化して角質化し、毛穴をふさいでしまうからです。
毛穴の形が歪むと髪の毛が真っ直ぐに伸びずにくせ毛になってしまいますし、酷いときは発毛障害や皮膚病に繋がることも考えらえれます。
臭い
特に女性の方にとって敏感な悩みが臭いです。
汗に含まれる雑菌が繁殖すると、悪臭の原因になってしまいます。
消臭すれば一時的に対策できますが、衛生面は解決されません。
除菌・殺菌効果のあるスプレーという手もありますが、そもそもスプレーの臭い自体が苦手という方も多いようです。
汗疹(あせも)
汗の溜まりやすい場所には湿疹ができ、かゆくなったり赤く腫れたりします。
汗疹(あせも)と呼ばれるこの湿疹は背中や肘、膝にできやすいというイメージが一般的ですが、汗腺がたくさんある頭皮にもできやすいのです。
直接目に触れることがあまりないため気付きにくいですが、夏になるとしつこいかゆみに襲われるという経験は少なからずあるでしょう。
汗に含まれる雑菌や、汗によって広がった毛穴に小さなホコリやゴミが詰まって炎症を招きます。
かゆいというだけでも十分厄介ですが、悪化すれば発毛障害の原因となり、薄毛に繋がることもあります。
スタイリングが崩れる
時間のない朝でも頑張ってスタイリングしたのに……、汗のせいですぐに崩れてしまう!
これでは腹も立つってもんです。
毛髪の形状記憶について大雑把に説明すると、濡れると形状を維持しなくなり、乾く瞬間に形状を固定するという性質があります。
これを水素結合と呼びます。
大量の汗をかくとスタイリング剤が流されるだけでなく、この水素結合の働きによって髪型が崩れてしまいます。
また、ベタつく汗は髪を重くしてしまいますし、梅雨など湿気の多い時期はなおさら髪がまとまりません。
湿気によるくせ毛対策については、以下の記事もご参考にしてください。
▶ 湿気で広がるくせ毛を完全攻略!!!まとめ方から対処方法まで公開
汗による影響の改善・予防
さて、ここまで汗がもたらす髪の悩みを挙げてきました。
ここからはどのように改善・予防できるのかについてご紹介いたします。
リラックス
汗は交感神経の働きと密接な関係があります。
ストレスを感じたり、緊張状態が続くと交感神経が活発になって、じっとりとした汗が出てきます。
これを解消するにはやはり、リラックスが一番です!
こまめに休憩をとったり、意識的に深呼吸してみましょう。
軽い体操やストレッチもストレス解消におすすめです。
適度な運動は血行を促進し、頭皮の健康にも良い影響を与えます。
アロマやハーブティーなど、リラックス効果のある香りを取り入れるのも良いですね。
ラベンダーやジャスミン、ローズの香りはストレスや緊張状態の緩和に効果的と言われています。
また、充分な睡眠をとることも重要です。
寝不足になると自律神経が乱れ、体が強いストレスを感じてしまいます。
こまめに拭きとる
汗を拭いた方がいいのは分かってるけど、面倒くさくて放置しがち。
しかし、面倒でもやはりこまめに拭き取りましょう。
汗を放置すると雑菌の繁殖や酸化による角質化を招きます。
その結果、臭い・汗疹・くせ毛・抜け毛など多くの悩みの原因になります。
汗の多い時期や運動をする際にはタオルやハンカチを持ち歩き、すぐに拭き取れるようにしましょう。
正しい髪の洗い方
上述の通り、汗を放置するとさまざまな悪影響を及ぼします。
逆に言えば、汗をかいても丁寧に洗ってケアすれば重大な影響は回避できるということです。
そこで重要なのが髪の洗い方。
シャンプーは毎日することですから、髪への影響も大きいのです。
間違った洗い方をしては綺麗に汚れが取れないばかりか、毛髪や頭皮を余計に痛めてしまいます。
くせ毛やパサつき、スタイリングがしにくいといった多くの悩みは正しいシャンプーを覚えることで改善できます。
解説動画をご用意しているので、ぜひ参考にしてみてください。
また、以下の記事ではおすすめのシャンプーや選び方のポイントについてご紹介しています。
▶ アミノ酸シャンプーやノンシリコンシャンプーはなぜ髪に良い? | 市販のシャンプーが良くない理由
▶ おすすめダメージケアシャンプー&トリートメント
髪を洗った後にするのはドライヤー。
ということで、正しいドライヤーの仕方も併せて覚えてしまいましょう。
先ほど水素結合について軽く触れましたが、髪の乾かし方って本当に大事です。
上手に乾かせばそれだけでサラサラになることもあるほどで、スタイリングのしやすさが劇的に変わります。
熱のこもらない髪型にする
胸のあたりから上にかけて熱を感じると、頭皮の発汗が促されます。
そのため、汗のかきやすい夏場は熱のこもらない髪型にしてみるのも有効です。
ロングヘアの方ならアップにしたり、まとめてみたりすると良いでしょう。
ただし髪の毛を強く引っ張り過ぎると、毛穴が歪んでしまうことがあります。
ピンを使ってまとめたり、シュシュで緩めに括るのが良いです。
夏場におすすめの髪型については、後日別の記事でご紹介させていただきます。
冷たいものや辛い食べ物を控えめに
暑い時こそ辛い物を食べて元気をだそう!
……なんてこともありますが、ほどほどにしておきましょう。
夏は過剰なクーラーや冷たいものの摂り過ぎによって、むしろ体が冷えてしまうことも多いです。
そのため、代謝を活性化させる辛い物が流行したりするんですね。
しかし、辛い物を摂り過ぎると交感神経が必要以上に刺激され、どんどん汗をかいてしまいます。
どちらかと言えば、体を冷やし過ぎないように気を付けることが大事です。
冷たい物、辛い物はほどほどに!
何事も過ぎたるは及ばざるが如しです。
逆に、大豆製品などはおすすめです。
大豆イソフラボンはホルモンバランスを整えることに期待されており、たんぱく質や鉄分など毛髪の発育に必要な栄養素もたくさん含まれています。
制汗効果のあるものは?
ここからは汗をかいたときの対策として効果のあるものをご紹介します。
ミョウバン水
漬物を作るときなどに使われるミョウバンには、発汗や臭いを抑制する効果があります。
スーパーや薬局などで購入できるので、30:1の割合で水に溶かしましょう。
500mlの容器に対し、おおよそミョウバン16g程度が目安です。
ミョウバンが水に溶けきるには1~3日ほどかかるので、あらかじめ混ぜて置いておくと良いです。
出来上がったミョウバン水を霧吹きでスプレーしましょう。
ミョウバン水は冷蔵庫に保管しておくと、およそ1ヶ月程度もちます。
ミョウバンは高い制汗効果が注目される一方で、成分に含まれるアルミニウムの有毒性についても議論されています。
この記事で紹介しているミョウバン水の分量や作り方は医師監修のもと紹介されている内容に即していますが、使用前にはかならずパッチテストを行ってください。
また、小さなお子様へのご使用はお控えください。
ハッカ油
薬局やドラッグストアで購入できます。
近年注目を集めるグッズで、制汗効果だけでなく掃除や風邪の予防にも効果を発揮します。
ハッカとはミントのことなので、言い換えればミントオイルです。
ほんの数滴で非常に強い涼感を得られるほか、除菌や消臭効果もあります。
水に数滴垂らしてスプレーしたり、タオルに垂らして体を拭いたりすれば、サッと汗が引いていきます。
お風呂に垂らせばかなり爽やかな入浴感になりますが、入れすぎると寒くてこごえてしまうので注意しましょう。
刺激が強めなので、使用前にパッチテストをしておきましょう。
ハッカ油を少量混ぜた水を腕の内側にスプレーし、肌が赤くなったり痒くなったりした場合は使用を控えたほうが良いです。
まとめ
汗による髪のベタつきやスタイリングの乱れは誰しもが通る悩みです。
そのまま汗を放置すると、臭いや頭皮のかゆみへと繋がり、くせ毛や抜け毛の原因になってしまいます。
まずは、汗を放置しないこと。
こまめに拭き取り、正しい洗い方でしっかり髪を綺麗にしましょう。
次にリラックス。
ストレスは自律神経の乱れや血行不良を誘発し、発汗を促す要因でもあります。
そして、食事。
冷たいものや辛い物の摂り過ぎに注意!
おすすめは大豆製品です。
最後に、ミョウバン水やハッカ油で制汗すればばっちりです!
夏に向けてしっかり汗を対策しておきましょう!